習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてか練習をつきつめていって、認知の科学的理解へ興味が向かうのは自然な流れ。
・世界は大きくは変わらない前提で、習慣によって、人は複雑な世界でうまく生きている。
・習慣の特徴は、自動的に行われることと、引き金によって目標に関係なく実行されること。
・自動化することで考える行為を減らせる。
・習慣(悪習)を変えるのは難しいが、最善策の一つは環境を変えること。例えば引越し。
・悪習の引き金を徹底的に環境から取り除くと有効。
・自制心を働かせるのではなく、働かせる必要のない状況を作るとよい。
・ドーパミンの作用等の習慣化のメカニズムの解説(流し読み)
・心理学、脳科学分野の論文のうち、再現性が確認されたのは3割程度との報告がある。
・何かを説明する(有無で有意差がある)仮説を設定するとき、
有意差の現れた結果が論文になり、有意差の無かった結果は公表されにくい。
・ワクチンの陽性を仮説の有意差ありに対応させると、偽陽性の割合が多くなる。
・現代の肥満の要因の一つは食事の悪習と見なせる。加工度が異なり単位量あたり同カロリーの食事を好きなだけ食べられる実験で、加工度が高いほど摂取カロリーが多くなった。
・運動習慣を付ける実験で、数か月の実験中は続けられても、実験が終わると運動習慣は失われることが多い。
感想
・目標達成のために習慣を利用した個人的経験がいくつか思い出される。
・ヒルクライムに向けての練習の積み上げでは、帰宅後に迷う余地を与えないようにローラー台を常設し、ルーチンで10分走の”アップを開始”するように仕向けた。
・過度に食べないために、家にストックは置かない。おやつは都度買いに行く。歩いている間に、本当は食べたいのではなく、ただ気分を変えたいだけと気づくことがある。
・このブログで週に1回くらいは何かを書くようにしている。細かい体裁を気にせず自由に書く。
・最近英語を使わないので、翻訳ツールに突っ込んで手直しした英語版を作ろうとしたが数本で止まった。続ける上で何が足りないのだろうか。
・読んだ本の整理は、
キンドルで流し読みしながら気になった箇所に印付け、
最後まで行ったら印のリストだけ読む、
このうちポイントのみ書く、
とやり方は決まっている。
・通勤でラジオを聞いていると、全く無意識のうちに電車を乗り継いで会社について途中の景色を思い出せないことがある。
・いちいち考えるのは大変で、環境設定するとよいのはその通りと思うのでこれからも利用したい。
・本書の原稿はコロナでロックダウンが始まって3か月のアメリカの都市で書かれた。コロナで身についた新しい習慣は、コロナ後に生活が元に戻らないのではと筆者は予想した。
→この予想ははずれたようである。ここで、過去の習慣に戻ることと、新しい習慣が持続することは、どちらに転んでも”習慣を変えるのは難しい”と言えてしまうのではと思った。