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CPについて調べていて出てきたアーチボルド・ヒルさんは、筋肉の有酸素と無酸素の代謝の違いを最初に明らかにしてノーベル賞をとったらしい。
その方法は、カエルの筋肉を単独で取り出し電気刺激を与えた時の発熱量を測るというもので、純酸素中と純窒素中で比べたら収縮の初期では差がなく、その後の回復過程では酸素中の方が発熱量が大きいことを発見した。それで酸素を使う反応と使わない反応の二つが筋肉へのエネルギー供給に関わっていることがわかった。
酸素なしで筋肉が収縮することはすでに知られていたが、ポイントは温度を0.0001℃のオーダーで、0.1秒のタイムスケールで測れるよう装置を改良して収縮の瞬間の発熱量をとらえたところ。
この実験データを目の当たりにすると、有酸素と無酸素が形式的な概念ではなく実感としてみえてくる。ちなみに運動強度別の有酸素(脂肪)と無酸素(糖とPCr)のエネルギー供給の割合はこれくらいらしい(2分全力走で約40%、4分全力走で約20%が無酸素)。

その他にも筋収縮の速度と力の関係式を作ったことと、VO2maxの発見に寄与。酸素負債、乳酸代謝、ランニングのエコノミーなど運動生理学のあらゆる分野を研究していてまさにパイオニアである。
ついでに本人もそれなりのアマチュアランナーで、本人が被験者として登場する文献もあり、朝飯前の1マイルジョグのみのトレーニングで57ml/kg/minのVO2maxを記録したとのこと。
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2018.10.24 Wed l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
5年ぶりくらいにスピードセンサーを使おうと思い、ant+対応で最安なのはこれっぽいので買った。

スピードとケイデンスを兼ねていて回転方向で使い分けられるのだが、ハブにポン付けして回したらペアリングしない。
中国語のみの説明書を読んで、「電池の蓋を閉めると最初は青、すぐに蓋を開けてまた閉めると赤とランプが点灯します。青がケイデンスで、赤がスピードのセンサーとなります。」を読み取る必要があった。
電池は走行400h(1年)もつとのことだが、当方では2年もちそうなのでほぼメンテフリー。

ところで、GPS速度は瞬間値はばらつくけど何分間かで平均したら移動距離/時間で結局はあまりずれなさそうだけど、回転毎に測る方法だと誤差が積み重なるので実はどうなんだろうと思ったりもした。
2018.10.22 Mon l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
表を作っておけば速さとパワーだけからCdAがわかるので作ってみた。
ド平坦で、無風または往復平均の前提で。

CdA hyou

CdA graph

・適当なポジションでのロードTTで0.30として、時速40で279Wというのは確かにそれくらいな気がする。
・トラックでがんばると0.20くらいになるらしく、時速40出すのに200Wで済んでしまうと思うとずるい。
・アワーレコードが55kmに迫ることは一応あり得る。
・時速50で集団を牽引するのはやはり厳しい。
・これを積んでおけば、もっともスマートにCdAを求める人間演算機ができる。


ついでに密度も。
dens.png
2018.10.19 Fri l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
今年のレースはほぼ終わってもう乗る気がしないけど、健康維持のために少しは乗りたいのでCdAを測る名目で少し。

ド平坦往復で、肘をハンドルに乗せるエアロポジションで走ってみた。
無理な姿勢ではなくて持続可能性を確保したつもり。
4回の180度ターン前後1分の平均をとったところ、
CdA=0.325(標準偏差0.009)

以前測ったふつうのポジションでは
CdA=0.367(標準偏差0.007)
だったのでそれなりに減った。

なお計測区間の平均パワーは250Wどちらもくらい。
今回は長袖のだぼだぼジャージで走ったので半袖+アームカバーだともう少し減りそう。
あと肘を置くときにフロントライトが少し邪魔だった。
しかし0.3を切るのはなかなか難しそう。
2018.10.14 Sun l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
富士スバルラインTT

前日の季節外れの暑さの中のインターバルの強度が高すぎたけどなんとか吐かずに済んだのと、友人結婚披露宴の豪華なディナーで超超回復したのでそれなりの態勢で出走。
昨年敗れたディフェンディングチャンピオンの参戦が当日わかったのだが、彼は前日夜1000キロブルべを走り終えたばかりらしくこれはチャンスと打倒を目標にする。

30秒差で自分が先に出走。
序盤は270W目安くらいで若干緩めに入ったものの、案外料金所でも追いつかれない。
と思いきや、ふと気づくといた。
ちっとも弱っていないではないか!

去年のイメージだとこのまま抜き去られるところ、さすがに今日はそうでもない。
自分が牽くしかない状況だけれど少し経って代わったら牽いてくれた。

ペースで引き離せる気はしないので最後まで一緒に行ってラストスパートで30秒差をもぎ取るしかなさそう。
後ろで小さくなっていたら少しだけ余裕が出てきたのと、若干ペースが落ちてきた気がしたので再び前へ出る。

あくまで無理しないペースで進む。雲を抜けて陽が当たり、少し気温が上がった気がした。
様子見で試しに30秒350Wくらいで踏んでみた。
ふつうについてくるではないかおい!

とりあえず元のペースで進むけど、なす術がない感じでむしろ自分のパワーが次第に低下。
これは遅すぎるということで抜かれて再び付き位置。
右ふくらはぎが攣りそうなのでメイタンのジェルを開封。一部こぼしたものの補給成功。

少しだけ攣りが回復した気がする。しかし千切れないギリギリのラインで余裕がないので30秒差をつけるのは絶望的。
それでもやれるだけはやろうということでラスト200mくらいから捨て身アタックするも20秒330Wくらいしか出ず、結局抜かされて終了。

富士世界遺産センターから奥庭駐車場で1時間11分台後半、アベ254W
荷物を受け取ってすぐ再スタートして5合目まで行き、料金所から5合目で1時間6分台
富士世界遺産センターから5合目で1時間19分台、アベ250W
補給、風呂後計測で58.0kg

全力を出し切ったが及ばなかった。強い人が現れるというのはうれしい限り。
CP以下では無限に走り続けられるという仮定はまんざらでもない事例を目の当たりにして恐れ入った。
2018.10.08 Mon l レース l COM(0) TB(0) l top ▲