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トルクの脈動は速さに効くのだろうか。
試しに、normalな踏むペダリングとsmoothペダリングのトルク分布を仮定して、クランク1回転分を解いてみた。予想としては、脈動が大きいと、速度の速い時間帯で速度の2乗に比例する空気抵抗が大きくなり、2乗平均が平均より大きいので、不利だろうと思った。4乗平均のNPは平均より高くなるイメージ。

やり方
・トルク分布と初速を仮定して、0度と360度の速さが同じになるようなトルクの補正比をゴールシーク。
・クランク角度6度ずつ解く
・係数は適当な一定値とした
・勾配は10%の上りでギアは36×25とした

クランク1回転中のトルク分布と回転数変化。スリップを考えないので回転数は速度に対応。
normal.png smooth.png

パワーとタイムのグラフで比べたら、ほとんど差がなかった。
pt.png

空気抵抗による損失は、平均したら両者でほぼ同じだった。
loss.png

NPは、パワーが倍半分変わるので平均より高くなるが、回転数(速度)の脈動は小さく、二乗の項を無視できるのでほとんど変わらない。という当たり前のことに気づいただけで終わった。トルクの脈動は速さに効かない。

他には、トルク分布に対する回転数(速さ)の位相遅れは、48~54度になった。クランク角度が90度のときトルク最大とすると、140度くらいのとき速さ最大になる。遅れは勾配、パワーによって数度は変わる。

実際には、クランク角度によって空気抵抗係数が変わることの方が効く。
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2019.06.29 Sat l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
インタビューなどで「感謝しかない」という言葉を聞いたときの違和感はどこからくるのだろうか。一方で、似た言い回しの「悲しみしかない」にはあまり違和感がない。何が違うのか。

「〜しかない」の元々の意味は、あるところに〜だけが残されている、onlyであろう。このとき、〜以外のものが他にあり得るけれども〜だけがある、という文脈が必要。

最近?になって、転じて、すべてが〜で満たされている、full ofの意味で使われるようになってきた。

「悲しみしかない」と単独で聞くと、例えば何かを失う悲しい出来事があって、今は悲しみしか残されていないと補ってonlyの意味で読める。full ofの用法を知らなくても意味が通るので違和感がない。発言者の意図がどちらかは問わない。

「感謝しかない」と単独で聞くと、onlyの意味での文脈を補いづらいので、full ofの用法を知らないと違和感がある。
例えば、かつて誰かに対して嫌悪感や軋轢があったが今は感謝だけが残っているという文脈があれば、言い回し自体には違和感はない。インタビューではおそらくfull ofの意味で使われる。

言葉は変化するので、新しい用法を知っていかないと違和感が膨らんで話が通じなくなっていく。
2019.06.26 Wed l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
orb

寝床の要求機能は、主に次のとおりであろう。
・足を真っ直ぐに伸ばせること。
・床がフラットであること。
・床が柔らかいこと。
・自転車を車内に収められること。

現状の自分の答えは、プロボックスを借り、家でマットレス、布団、まくらを積み込む。以上で要求機能を全て満足できる。これより良くなる気がしないし、必要もないのではないか。

デメリット
・プロボックスは喫煙可能車のことが多く、多少の匂いが残っている。
・助手席の窓の開閉を手回しで行う。
これらを許せば、比較的安価に借りられる。ハイエースほどの運転のしにくさはない。

マットレスの幅はシングルサイズでぎりぎり収まる。長さ方向は少し足りないので、運転席と助手席を前に出す必要がある。
2019.06.22 Sat l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
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上に凸の曲線を回した形の鏡面のコップをふと見たら、自分の背景が複数並んで映っているように見えた。コップの内面を反射して背景から目に至る経路が複数あること示しているな。試しに、頭上にライトを掲げてコップに向けたところ、解の数を数えやすくなった。
上下方向に見ていくと、コップの縁に近いところでは1個、その少し下の段に10個ほど、さらに下の段に20個ほど並んでいる。これより下では、上がって来れないのか、無さそう。写真では、コップの左右の端に向かうほど解のピッチが小さくなっていくが、反射の度の減衰で光が見えにくくもなっていて、解が無限にあるかどうかの判別はつかない。

映っている背景の間の境界はとてもくっきり見える。解の分岐線が見えているのだろう。自分の前方の壁が映っている範囲との境界もある。コップ内面は滑らかなのに、解の分岐線という数学的概念が、物理的に見えるところが面白いなと思った。境界をさらに見えやすくするために、部屋の半分が黒で、もう半分が白の壁になっているような部屋に入って眺めると美しく映りそうだ。
2019.06.19 Wed l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
ttt
2000円代の安物bluetooth イヤホンが、充電しても電源が入らない状態になった。充電ケーブルを挿すと赤いランプはつくのだが。仕方なく、捨てる前に分解したら、断線を発見。線を触らせてやると、赤いランプがより明るくなり、本当の充電状態を示しているようだった。
はんだ付けを試みるも、不器用でうまくできず、結局捨てることに。テクニック不足により2000円を失った。

気になったことは、元々のはんだがとても弱く、いかにも断線しますと言っていること。反対側のはんだ部は樹脂で固められていて、同じことを両方にすれば良くなるのに。1箇所やるのも2箇所やるのもそれほどコストは変わらないと思うので、買い替えを促すタイマー仕掛けを垣間見た気がした。

予防策として、買ってきた(安物)イヤホンをまず分解し、はんだ部を樹脂で固めると良い。似た例として、買ってきたフロントライトの分割部にセロハンテープを貼って浸水を防ぐことがある。これにより、製品寿命は格段に伸びると思う。
2019.06.15 Sat l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
持久力の源となるミトコンドリアについて調べていたら、その起源は細菌と真核生物の共生だと知ったことと、たまたま見た記事のたんぱく質を合成する動画が印象的だったことがあり、勢いあまって生命の起源について調べた。

生命の特徴は主に次の三つがある。
(1)膜により外界と自己を区別している。
(2)代謝する(外界から物質やエネルギーを取り込み、自身を構成する物質を合成したり、エネルギーを得たりする)
(3)自己複製する。

出発点
・現存する全生物は、DNAを設計図として、様々な機能を持ったたんぱく質を作ることで、3つの特徴を実現している。
・たんぱく質を作る工場(リボソーム)自体がたんぱく質でできているので、鶏卵問題である。
・3つの特徴のうち、どれが最初に発生しそうかを考えよう。ポイントは、原始地球にある物質を使って、必要な物質を非生物的に合成できるか。

(1)膜
水中で親水基と油親基をもつ分子が集まると自然に袋状になる。この性質を持ついくつかの脂肪酸は、非生物的に合成できる。隕石中にもその存在が確認された。(*1

膜を構成する分子の生成反応をA+B→Vとする。Bが袋の中に、Aが環境中にあって、Aに膜を通り抜ける性質があると、膜の内部で選択的に反応が起き、袋が大きくなって分裂する。袋の中の分子の数は統計的に少ないので、反応速度の差がつきやすく、淘汰が起こる。ただし、材料A, Bを供給し続ける必要がある。
DNAをgivenとする。袋にDNAを入れて、PCRのように熱サイクルを与えて複製する。うまく調整すると、袋の分裂とDNAの複製が相互作用し、よく複製できる袋ほどよく増えるようにできる。(*2

条件がそろえば進化のレールに乗って発展しそうではあるが、適切な材料を供給し続けるところが起こりそうにない。

(2)代謝
代謝の進化は主に酵素の進化による。酵素は反応メカニズム自体には影響しないので、現存する代謝回路のハブとなる分子(有機物)は初期から重要だった。
ハブ分子のうちのいくつかは、CO2を元に、酵素の関与無しに合成され得る。海底の熱水噴出孔のような場所では、反応に必要な電位差や無機触媒などの条件が揃う。(*3

安定して想定する環境が持続しそうだという点で、起こりそうな気がする。

(3)自己複製
現在からさかのぼって考える。
DNAの持つ遺伝情報を、RNAへ転写し、複製するには、触媒となる酵素(たんぱく質)が不可欠である。RNAの中に、自分を編集する反応を自分で触媒するもの(リボザイム)が見つかったことで、DNA以前にはRNAが遺伝情報の主体であった説が有力。
RNAは、ヌクレオチドの重合体である。
RNAを構成するヌクレオチドは、リボース、核酸塩基、リン酸から成る。
リボースは、非生物的に合成され得るが、副産物が多く、それ自体不安定である。
核酸塩基は、非生物的に合成できる。他と比べて生成しやすく、ペアを作る性質があるので複製を担う分子として適正。
リンの出どころは不明。(*4
リボースと核酸塩基の縮合反応では、多くの異性体が生じ、RNAを構成するヌクレオチドの生成は少ない。
酵素無しで50個ほどつなげられるようなヌクレオチドは、少数ながら確認されている。触媒として、金属イオンや粘土鉱物を利用できる。ただし、50個程度の長さのRNAが生物的な機能を持てるかは不明。(*5

リボースの優位性に疑問があることから、より単純なグリコールやトレオースを含む核酸(GNA, TNA)を主体とした生物が先に存在し、その後RNAに置き換わったとする説もある。(*6

これは3つのうちで一番、最初には起こりそうもない。

感想
・どの発生過程も断片的には実験で示されいるが、全てをつなげるにはほど遠い。
・細かいことはさておき、安定して想定する環境が持続しそうだという点で、最初に代謝が起こりそうだと思った。
・検証不能なので、何を信じるかの問題ではある。
2019.06.09 Sun l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲

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機会をいただき、(この機会がなければ縁遠かった)Rapha主催のロングライドイベントに参加。

土曜の朝5時スタートと早いため、金曜夜発で移動。ほぼ必然的にプロボックス車中泊となり、快適ではあったが寝た時間は短い。しかし、翌朝に驚異の車外泊を目撃して認識の甘さを思い知った。

スタート地点でコーヒーのサービスがあり、いままで味わったことのない(おそらく高級な)コーヒーを飲んで出走。135キロ3500mアップと長いので、序盤からまったりと。
事前にコースのGPXファイルが配られて道を探さなくてよいのはすばらしい。自分は対応のサイコンを持っていないので人任せだったが、この便利さは今回もっとも印象に残った文明との遭遇案件の1つ。

練習は、車坂の後この2週間で1時間と万全ではないが、走れる体調にはなった。
メインの上りが13キロ6%と長かった。ゆっくり上って完遂。自分のギアは36-25と重め。今後の自転車の乗り方を考えても、フロント34-50にすべきと思った。(前から思ってはいる)

後半のダートにふつうの23Cタイヤのロードで突っ込んだため、バランスを取るのがせいぜいでゆっくり上る。チームを待たせてしまったが、うまくトルクをかけて上る新鮮な感覚を体験できたことと、一応乗って走りきれたのでよかった。

後半の下り基調で、下りの遅さを発揮。これはもうどうしようもない感じ。当社比安全に下る。

最後の上りの下り始めで前輪がパンク。タイヤの損傷部位を探すと、なんと、ブレーキシューがタイヤサイドをカットしていた。タイヤの貫通部をふさぐために、どら焼きの袋を当てる案もあったが、パッチをもらうことができてしっかり直せた。シュー位置も修正。先月の車坂ヒルクライムの後にシューを戻した時に、取り付け位置がずれていて、人災であった。反省。
結果として、
ポンプ→自分のより大きなものを借りる
パッチ→もらう
レンチ→自分のを忘れていて借りる
ということでチーム内の全力サポートを受けて復帰。ありがたや。

下りがさらに遅くなったものの、無事に帰還。
天候も良く、すばらしいコースだった。相当の土地勘がないと気づけない裏道に導かれるところもあった。裏道発見こそツーリングの醍醐味。このコースを教えてもらえることが、このイベント参加の大きな価値だと思った。

片付けをした後、川の辺りの雰囲気の良い温泉で小休止。コインロッカーの100円が戻らないシステムであることに気づかず、忘れ物を取りに一度開けてしまい200円を献金したが、全ては許される。

アフターパーティーの食事もとても美味しかった。元々火薬を詰める用途に使われていた鉄の容器で焼かれた豚は圧巻。野菜も美味。走って3500kcalほど使ったはずが、翌朝の体重は57キロをキープしていた。
二日連続の車中泊は相変わらず快適で、7時間ほどたっぷり寝られた模様。


今回着る機会をいただいたウェアの機能性の高さが光った。

ジャージ
https://www.rapha.cc/jp/ja/shop/pro-team-training-jersey/product/PTT01XXBLK
背中ポケットの伸縮性が高く、他と比べて値段の比以上の体積比を発揮した。補給の搭載量を増やせたことは、完走に大きく寄与した。

ポケット付きビブショーツ
https://www.rapha.cc/jp/ja/shop/cargo-bib-shorts/product/BRC01XXDGR
ビブにポケットをつける斬新さがあり、ものを入れてもどれも邪魔にならない。
ポケットは両脚に1つずつと背中に2つ。他ではポケットゼロなので、体積比は無限で他の追随を許さない。
2019.06.02 Sun l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲