fc2ブログ
勾配とドラフティング有無の出力比の関係を質点モデルで調べた。
キャプチャ3

思ったより勾配の感度が大きい。
平地の出力比0.67。先頭300Wに対して後ろ200Wまでついて行ける。
3%の上りで出力比0.87。先頭300Wに対して261Wまで。
5%の上りで出力比0.94。先頭300Wに対して282Wまで。
5%の下りでは先頭300Wでも漕がずについて行ける。

平地で向かい風3m/sのとき、集団でもついていくのが大変なイメージだが先頭300Wなら出力比0.66であまり変わらない。速度が落ちるだけ。
無風300Wでの時速40キロを維持するには先頭420W必要で、出力比は0.65。273Wまでついていける。セレクションの観点では無風で速いのとほぼ同じ。
スポンサーサイト



2021.05.30 Sun l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
The peloton superorganism and protocooperative behavior

イントロ
 ・人の後ろにいると個人的には楽なのに集団の先頭を牽く人(協力者)がいるのはなぜだろう。
 ・似た話で、生物進化で協力者が生まれる理由の一つは集団間の競争では協力した方が有利だから。
  (Five Rules for the Evolution of Cooperation
 ・個人間、集団間の協力関係をドラフティング効果のある中での自己組織化で説明しよう。

モデル
 ・人の後ろを走るときのドラフティング効果一定を仮定。
 (空気抵抗の減少率1-d=0.38、必要出力比d=0.62)
 ・集団の二人目以降は同じパワーで同じ速度になる。
 ・各人の維持可能パワー(速度)が異なる集団を考える。
 ・ドラフティングしても前について行けない人は減速し、
  維持可能速度からランダムな微小速度だけ遅い速度で走る。
 ・各人は維持可能速度以下の範囲でランダムに加速(0~2m/s)し、前の人を追い越す。
 ・疲労は考えない。

テストA
方法
 ・集団を一定速度で走らせる。
 ・速度3通り、人数5通り、各5回計算。
結果
 ・協力の具合を維持可能パワーと分担率の相関係数で評価
 →人数によらず集団が遅いほどみんなで先頭を分担する。(相関小)

テストB
方法
 ・ロードレースを模擬した集団先頭速度で走らせる。
 ・最初の15秒遅く、次の30秒速く、その後遅い。
 ・人数は2~48人で36回計算。
 ・各人の維持可能パワーは305~479Wでランダムに分布(レンジ36%)
結果
 ・集団の分裂と合流が発生。
 ・余裕のある集団では維持可能パワーのばらつきがドラフティングによる空気抵抗の低減率1-d=0.38に近い。
 ・遅い集団ほど平均のきつさ(各人の維持可能パワーと発揮パワーの比の平均)は大きい。
  遅い集団は維持可能パワーが低い人から成るため。

計算の結果、集団にはsuperorganismとしての次の特徴が現れた。
集団内の協力は、
 a 集団内の類似性が大きい(走力のばらつきの小さい)ほど増える
 b 集団サイズが大きいほど減る
 c 集団の数が大きいほど増える
 d 集団間の類似性が大きいほど減る

感想
 ・ランダムに加速する仮定だけで集団の秩序が生まれるのは面白い。
 ・走行抵抗は空気抵抗だけではないのでドラフティング時の空気抵抗の比d=0.62と出力比は少し異なる。
 →平地だと出力比0.67程度
 ・集団内の走力のばらつきのレンジがドラフティングの出力比に近くなるのは言われてみればあたりまえ。
  先頭が全開に近ければ出力比より弱い人は千切れるので。
 ・集団間の競争によって協力が生まれるのなら、単騎の人ばかりではやはり秩序は生まれないのか。
 ・いろいろ考えて動いているつもりでもマクロにみるとランダムだとすると悲しい。
2021.05.29 Sat l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
食の科学

あまり読めていないのに図書館の返却期限が来てしまった。
適当なメモ。

不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸のどっちがどっちかの覚え方。
・飽和脂肪酸は安定だから常温で固体、
・不飽和脂肪酸は不安定だから常温で液体。
 植物や魚に含まれ人体に良い影響が報告されている。

トランス/シス脂肪酸のどっちがどっちかの覚え方。
・”トランス”は”逆”だから自然界に少なく、人体への悪影響が報告されている。

風味の感知は味覚と嗅覚の受容体から送られる信号を元に脳で行われる。
火で調理することはホモエレクトスの脳の進化と大型化に寄与したが、
栄養素が増すこととともに、料理がおいしくなることも重要と考えられる。

初期の人類の肉の摂取量の増加に伴い、タンパク質と脂肪の消化酵素が効率を高め
吸収できるエネルギーが増し、脳が大型化した。

缶詰の発明による食品の長期保存は大航海時代に重要な役割を果たした。
ただし適当な業者に作らせて酷い目にあった例があった。

甘いジュースの砂糖の量は異常なので可能な限り控える。
2021.05.23 Sun l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
パイオニアのサービス終了に伴い、データをダウンロードせよとのことだが、
まさかの手動。
ポチポチ押してなんとか完遂。

最近練習しなさすぎて見ていなかったゴールデンチーターを久々に開いてみた。
PMC.png
2013年以降では、最も練習していたのは2015年。
最も成績が良かったのは2017年。分析すると面白そうではあるが。
最近では5月に2回もロングに行ったものの、CTL17とか。
もう見ても仕方ないな。。

もはや0~20を拡大したいけど、
さすがのゴールデンチーターもそんな機能はなさそう。
2021.05.17 Mon l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
Energy saving mechanisms, collective behavior and the variation range hypothesis in biological systems: A review
自転車の集団のダイナミクスについての論文(The peloton superorganism and protocooperative behavior)から派生して、何やら深淵な話をしている。長いけど要約すると以下の3点だろう。
・ストレスに晒されたときの集団形成のような自己組織化は生物でも無生物でも起こり、そのメカニズムは熱力学で説明できる。
・集団効果による負荷低減率は集団内の強さのばらつきの比率に等しくなる。
・低い負荷では集団内で循環が起こり、負荷が上がると先頭固定になる。さらに負荷が上がると集団は分裂する。
熱力学第二法則はすべては平衡へ向かい均一化すると言うけれど、平衡からあまりに遠いとき秩序が生まれることがある。
例えばベナール渦。水を入れた鍋の底の温度を上げるとき、水との温度勾配が小さいと熱伝導支配だが、温度勾配が大きいと対流が起き、自己組織化して渦(秩序)が生まれる。
このような自己組織化は生命発生の一因になる。
生命とは熱力学(エントロピー増大)に抗って秩序を維持する存在と言える。
砂浜で小石と貝殻を見分けるとき、自己複製することではなく貝殻の秩序に生物たる所以を見出す(生物と無生物のあいだ
温度勾配をストレスと見なすと、空気抵抗というストレスを受ける自転車集団の中で生じる省エネのための循環(ローテーション)に通じる。鳥の群れや魚の群れの循環も同様。群れることでフィジカルのばらつきを許容して生き残れ、多様性を生む。
集団内では先頭の出力のd倍でついていけるとすると、先頭のd倍のFTPの選手が生き残れる。FTPを個体の大きさや体重と見なすと、様々な生物でこの比率が一致する。
ストレスが増えて全力で進む必要が出てくると、追い越し不能になり集団の先頭は固定される。これはゴール直前の自転車集団の他、自然界では精子の移動で見られる。
さらにストレスが増えると集団は分裂する。これは自然界では種の分化につながる。


そういうわけで、自転車集団のローテーションは業界の習慣的なものではなくて、必然性があるもののようだ。
2021.05.10 Mon l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
運動や睡眠時間の目安として良い記事がWHOのウェブページにあった。5歳までの子供の年齢ごとにまとまっていてとても分かりやすい。誰か翻訳して配ってくれればいいのに。

概要の記事
詳しい記事
詳細エビデンス

この中でふと目についた文献で、developing conduct problemsのリスクの高い子供(4~5才)はbike ridingの時間が長いというのがあった。そうなのか。
Time use differences in activity participation among children 4-5 years old with and without the risk of developing conduct problems
2021.05.07 Fri l 育児 l COM(0) TB(0) l top ▲
両国駅から千葉方面へ輪行せずに乗れるB.B.BASEに初めて乗った。
ウェブ予約は少し分かりにくいが辛抱強く進むと予約できた。
物理チケットを駅の指定券券売機または無料郵送で入手する。
指定券券売機に行くのが面倒なので郵送を選択した。
まず両国駅まで22キロを自走。
早朝の都内は車は少ないものの、久しぶりに走ると信号まみれで気分のいいものではない。
余裕をもって出発したので問題なく両国駅に到着。
GWということもあり自転車乗りが多い。
途中駅からの乗車を含めて90席のうち60席ほど埋まっているらしい。
ゲートの係員に切符を見せてそのまま1Fのホームへ。
自転車ラックは初見では使い方を探し当てるのに数十秒かかったが、簡単に固定できてよい。
IMG_4608.jpg
どこかの路線で使われた列車を改装したようだ。
車内に複数いる係員が乗客を誘導したり、クーポンの取り扱い店一覧の冊子等を配布する。
唯一無二のサービスにいくらでも払うつもりだったけど往復5600円で1000円分のクーポンがついてくるので想定よりだいぶ安い。普通運賃に片道500円しか上乗せされておらず実質普通運賃と同額。
おそらくもっと高くても乗る人は乗るだろうし、値段を見て乗らなくなる人は少ないだろうから高くしてこの路線の持続性を高めてほしい。残念ながらどう考えても赤字に見える。
安房鴨川駅まで2時間15分。
10年以上ぶりに会う先輩方と話が弾む。
安房鴨川のコインロッカーに荷物を預けて出発。
ルートはほぼ公式HPのおすすめどおり。
https://www.strava.com/routes/24369657
前半の海岸沿いは向かい風でしんどいが150Wくらいでサイクリング。
30キロ地点の道の駅ちくら潮風王国は多くの人で賑わっていて、サルの大道芸をやっていた。
東京からのアクセス距離でいうと伊豆と同じか遠いくらいだが町に活気があるように見える。
比較的平地が多くて広々しているからだろうか。
白浜での昼飯でクーポンを発動。
定食に単品アジフライを追加したら4尾きてシェア。
後半は山方面で久々の上りでパワーは上がらず。
棚田があると聞き寄ったところ、見覚えがあると思ったら去年千葉を走ったときに来たところだ。
下った先の道の駅三芳村の横の平坦路に見覚えがある。学生時代の春合宿だ。
帰りの電車まで時間の余裕もあり、棚田カフェで手作り感満載の干し柿を食べながらまったり。
安房鴨川駅もゲートからホームへ。
IMG_4605.jpg
ゆっくり話す時間もあり大変よかった。
強いて言えば温泉か足湯があるとよりよいか。
そのうちリピートしたい。
2021.05.04 Tue l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
400ppmで始めた在宅ワークの1日の終わりに1000ppmをこえることがある。代謝だけでこれくらい上がるのだろうか。

基礎代謝1日1500kcalとして
1秒あたり1500×4.2/24/3600×1000=73J/s=73W


代謝に必要な二酸化炭素排出量を求める。
脂肪1gが9kcal=37.8kJで、
1秒あたり73/37.8/1000=0.002gの脂肪を完全燃焼


代表的な脂肪酸のパルチミン酸(分子量256)を1mol完全燃焼すると16molの二酸化炭素が生じるので、
1秒あたり0.002×16/256=0.000125molの二酸化炭素が生じる。


気体1molは標準状態で22.4L
6畳の部屋の体積はおよそ3×3×5=45m3=45000L


1時間あたりの二酸化炭素濃度上昇は22.4×0.000125/45000×3600×10^6=224ppm/h(キリが良すぎるのは気のせいか)


7時間で224×7=1568ppm
外気との濃度勾配で多少の流出はあるからだいたい合いそう。


逆に密閉すれば代謝量が分かりそう。
2021.05.02 Sun l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲