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運動しても痩せないのはなぜか」を読んだ。

自分がこれを読む動機は、コロナ以降運動量が落ちた結果体重が落ちていて、
直感的におかしい状況を説明する何かがあるかと思ったこと。

生物にとって、カロリー消費量は多いほど良い。追加の機能に使える。
ヒトは食料の分配によりカロリー摂取量を増やせたので、消費量も増えた。
特に、火を使うことで外部のエネルギーも利用できるようになった。
摂取量の変動に備えて脂肪を蓄えられるように進化した。
従って、ヒトは運動するようにできており、運動が必要な生き物だ。
(余談だが、このためヒトは分配を受けるため集団に属したい習性があり、
集団同士の衝突が絶えない)

体重の増減は、カロリーの摂取量と消費量の大小で決まる。
消費量には、基礎代謝と運動量がある。
恒常性(ホメオスタシス)により、摂取量と運動量の変動に応じて、
摂取量と消費量が一致するように基礎代謝が調整される。
例えば、現代の狩猟採集民族の体重を調べると、通年でほぼ一定。
運動量が増えれば、摂取量が増えて、基礎代謝が減って、調整される。
運動量の多さから、今後の体重の推移を予想することはできない。
ただし、摂取量の上限は消化能力で決まり、ヒトでは基礎代謝の2.5倍で、4000~5000kcal。
これ以上の運動をすれば体重は減るしかない。

一日の最大消費量は、その継続期間で決まる。
一日で終わるトライアスロンが最も多く、ツールドフランスはこれよりは少ない。
さらに長期では妊婦が挙げられる。
疲労による運動中止は脳が決めている説が有力であり、
体重減少を感知していると思われる。

現代の肥満の要因は、加工食品がおいしすぎて体重の調整範囲を超えていることにある。
脳が受け取れる満足度、および価格に対してカロリーが多すぎる。
食品のカロリーに対する満足度を調べた結果、高かったのは、
果実、魚、ステーキ、ジャガイモ。
自分の報酬系を理解し、満足度を高めると良い。

運動は、減量には効果がないが、しなくてよいわけではない。
座り仕事で運動量が極端に少ないグループは体重が多い傾向にある。
運動の利点には、運動以外の余計な反応が抑えれることがある。
具体的には、慢性炎症の抑制、ストレス反応の抑制などがある。

感想
運動量は体重の変化を予想しないということなので、
結局なぜ体重が減ったかはわからなかった。
体重が増えない理由は恒常性ということでわかった。

体重減少への一つの指針は、なるべく加工されていない色々な食品を食べるといったところだろうか。スパイス、出汁などで風味をつけて味を抑えると良いように思われる。

そういう意味ではコロナ以降ほとんど外食しなくなった。
ただ、よく寝る前にスーパーにおやつを買いに行っている自覚はある。それでも家にストックを置かないことで買いに行くという行動自体から満足感を得られると期待。たまにピンとくるものがなければそのまま日用品だけ買って帰ることもある。
一方で酒をほぼ飲まなくなった。
カロリーあたりの報酬系の満足度が高まって、体重が減ったのかもしれない。
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2022.10.29 Sat l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」 (ブルーバックス) 新書
を読んだ。

音について自分はほとんど何も知らなかったし、あまり考えたこともなかった。
感覚的には音の奥深さというものはありそうだが、物理的にとらえられていなかった。

わずかに知っていたこととしては、
高周波数の音は高く聞こえ、低周波数の音は低く聞こえることくらい。
全ての音は周波数と大きさの組合せで表せて、ノイズがすべての周波数である大きさを持つイメージ。
従って、この情報さえ捉えられれば録音と再生ができる。
微妙な音の違いもこの中に含まれる。
他には音源の方向の情報があるかもしれない。

この本によれば、
音の構成要素には、周波数と大きさと音色の3つがある。
音色の要素には、倍音と振幅包絡の2つがある。

倍音は、基本周波数(基音)の整数倍の周波数の音のこと。
倍音の大きさの違いは、同じ基音の楽器による違いの要因になる。
楽器の構造により倍音の出方が異なる。

振幅包絡は、横軸時間で音の大きさを表したグラフの包絡線のことで、
音の立ち上がりが急か緩やかかを表す。

この3要素の組合せが無数にあることと、
この音を出すための楽器の構造も無数にあることが良く分かった。
伝統的な楽器の調整、作り方のノウハウは職人芸であり、機械化不能であろう。

さらに、音の感じ方は、場の雰囲気にも影響されると述べられている。
結局は生身の人間が聞くのだから。
2022.10.23 Sun l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
Elite versus non-elite cyclist - Stepping up to the international/elite ranks from U23 cycling

U23の選手の1年間の練習データとラボ試験データを集めて、エリートに昇格した選手としなかった選手の違いを調べた。

◇対象
 27人のU23選手のうち、U23の終わりまで選手を続けた20人
 全員ドーピング違反なし、voluntary interest

◇方法
 期間は、2018-2021の4年で、U23最終年1年間(11月から10月)
 各選手のラボテスト、実走テスト、練習量、UCIポイントを分析
 後で昇格成否の2グループ(10人ずつ)に分けて違いを分析

◇結果
注記
 ・強度or時間の記載がない項目は全て
 ・MMP:Maximal Mean Power、時間は2, 5, 12分
 ・PPO:Peak Power Output、3分程度ずつの漸増負荷テストの最大パワー
 ・低強度は、ventilatory threshold (VT)以下で、
  高強度は、respiratory compensation point (RCP)以上、
  中強度はその間

 テストと練習での2グループ間の差のまとめ
 スクリーンショット 2022-10-12 210735

 獲得UCIポイントとの相関のまとめ
 スクリーンショット 2022-10-12 213014


◇主な知見
 U23ではパワー絶対値が必要。エリートでは減量でPWRが向上していく。
 VO2Maxや2分と5分のMMPに差がない。
 昇格選手は練習時間が多く、特に低強度の時間に差がある。

◇感想
 VO2maxとMMPに差がないのは意外。
 2000kJ走ったあとのMMPは興味深い指標。
 自分で計算してもよいが、GoldenCheetahで実装してほしい。
2022.10.12 Wed l 本・論文 l COM(0) TB(0) l top ▲
1日微熱が続き、数か所発疹が出てきたので休日受診したら水疱瘡と判明した。
成人の発症は稀[1]で、重症化リスクが高いのでそのまま1週間ほど入院となった。
1日3回の点滴の2回目で迷走神経反射がおき、以前内視鏡検査の麻酔の際にも経験したので、毎回これでは辛いと思ったが、その後は問題なかった。熱が上がることもあったが、解熱剤が効いた。
ずっと陰圧室隔離ではあるものの、原稿を書くくらいの元気は出てきた。
コロナの始めから2年近くフル在宅していたので隔離耐性はあるはず。

感染源として、身近に帯状疱疹の発症(入院無し)があったので、うつったものと思われる。
帯状疱疹はほぼ誰でも免疫力が落ちたとき等に発症する可能性がある[1]。
水疱瘡と帯状疱疹の原因は同じウィルスで、帯状疱疹は2回目以後の感染で、水疱瘡は1回目。症状が少し違う。

では、入院を回避する道はなかったのか。

自分は幼少期に一回任意でワクチンを打っており、重症化リスクはほぼないはずであった[2]。
ただ、時間が経って抗体がなくなっている可能性はある。
抗体検査は、麻疹については最近流行があり[3]、子供が生まれる前に自治体推奨で受けたが、水疱瘡の推奨はなく検査していなかった。
自分にリテラシーがあれば、推奨がなくとも麻疹以外も抗体検査をした上でワクチンを打ち直す可能性はあった。もし麻疹の抗体がなれけば他も検査することもあり得るが、運の悪いことに麻疹の抗体はあった。従ってこれはあまり望めない。(もちろんこれを読んだ人にはお勧めする)

罹患歴もワクチン歴もない場合(抗体がない場合と解釈)、72時間以内であればウィルスへの暴露後接種が有効である[4]。
しかし、帯状疱疹発症時に医師からこのような助言はなかった。もしあったとしても、自分はワクチンを1回打っているので、抗体がなくなっていることを想定して念のためワクチンを打つ判断になったかは不明。抗体検査をして結果待ちをする時間はなさそう。
ただ残念なのは、うつることはほぼないと聞いていた(正確には空気や飛沫では感染しないがウィルスを含む発疹に触れるとうつる)ので、特に感染対策をしていなかったことだ。発疹に触れた手を介して間接的にでもうつる可能性はあるので、もう少し気をつかうべきだった。

入院の前日に、近所の皮膚科・泌尿器科を受診したときには、自分の気づいた一か所の発疹を見せた上で、身近に帯状疱疹の発症があったことを伝えたが、ワクチン歴も聞かれずにただの水膨れと診断されて、軟膏を処方されて返されてしまった。見落とされたのは残念ではあるが、すでに時間が経っており、大きくは変わらなかったと思う。成人の場合、発疹の前に発熱と倦怠感が先行することがあり[5]、まさにここ数日そのような状態だった。

以上より、入院を防ぐ道はないことはなかったが、かなり細い線であることがわかった。
それよりも、休日でも受診でき早めに治療を開始できたことに感謝したい。

[1] https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/kansen-center/shikkan/sa/chicken1.html
[2] https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html
[3] http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/01/63_130313.pdf
[4] https://www.vaccine4all.jp/topics_I-detail.php?tid=33
[5] https://www.kansensho.or.jp/ref/d31.html
2022.10.11 Tue l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
先日京都を旅行して大変楽しませてもらったのだが、新たに気づいたこととして、京都には京都っぽいところも残っている。

学生の時に何度か(少なくとも5回以上)京都に来たときは、京都駅前からバスで山の方のキャンパスまで直行していたこともあり、京都っぽいものを見ることはほとんどなかった。外国人ポスドクと一緒のときも、ほとんど何も案内できなかった気がする。京都駅構内には京都っぽい雰囲気を演出した土産屋や食事処があるにはあるが、あくまで演出であって、そのものではない。
覚えているのは、ゲストハウスっぽいところに泊まったときに、宿泊者がほぼ全員外国人で、ある意味京都っぽかったことと、中国人っぽい人に、なぜ君たちは中国語でなくて英語で会話をしてるの?と自分とそのポスドク(中華系)に向かって話してきて、自分は日本人でビジネストリップで東京から来ているんだと言うと、あまり納得されなかったことだ。

さて、実は京都駅から少し歩くと、昔ながらのお寺と取引されていそうな用具のお店が並んでいるなど京都っぽさを感じた。やはり街を味わうにはゆっくりと裏路地を歩いてみるのが良い。泊まった一棟貸しの改装物件もよく手入れされていて、生活用品も揃っていて過ごしやすかった。広くは無く、改装していない隣接する家は古い佇まいなのだが、小さな庭があった。かつて、物質的な豊かさはなくとも、想像力によって精神的な豊かさを求めたのだろうと思われ、秘めたるこだわりを感じた。前に金沢に行ったときも一棟貸しで、子供のミルクも作りやすいしとても良かった。家族旅行に一棟貸しは良いという知見が役立つことを再確認した。
2022.10.03 Mon l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲
毎年2回スバルラインを走る機会があるのだが、最近は先の1回しか走っていなかった。今年は先週のスバルが雨天中止になったので後の方に参加。
目標は去年と同じで平均200Wでの完走。

久しくほとんど乗っていなかったところからの準備としては、
1か月くらいかけて、長尾台2分を2週やったのと、実走20分走を2回やった。
あとはローラー5分を5回くらいやった。

最初の問題は、少し走るとすぐに腹が減ることだった。
20分走でさえ、心肺でも筋力でもなくエネルギー切れでタレるほど。
体重が落ちているとはいえ、計算上の備蓄脂肪のエネルギー量は十分あるはずので
単に脂肪の代謝能力が低下しているのだろう。
実走で改善され、最後には20分走を200Wで落ち着いてできるようになった。

長尾台は、1回目は1本、補給、2本で、
2回目は3本、補給、2本で、進歩はあったが途中の補給が必要なままだった。
1本1本は当社比追い込んだので、パワーは250Wくらいしかでないが、
このおかげで心肺は少し戻ったと思う。

ローラー5分200Wはいつもどおり60回転くらいでトルクをかける。

補給食を用意しようと久しぶりにスーパーの該当コーナーを見ると
ZONe ENERGY GEAR
というエネルギー補給とカフェインを兼ねた便利なものがあった。
カフェインは運動パフォーマンスを合法的に高めることが分かっているのでこれを採用。

本番は、すばらしい快晴で富士山頂まで雲が無い。
起床時体重は55.8kg
ガーミン130で5キロおきのラップ平均パワーを表示させた。、
205W,205Wと高めで入ったら、案の定腹が減って落ちかけた。
最後のゼリー半分を飲んだら回復。
その後は197W,197wくらいで、最後196Wだと平均200Wになると思ってがんばろうとしたら
右足を攣って大きくペースダウン。
昔から右足を攣るのでペダリングが良くないのだろう。
これは長い間乗らないというショック療法をもってしても直らなかった。
体の動きの記憶が残っているのだろう。

平均198Wとなった。
富士山世界遺産センターから奥庭駐車場まで1時間28分台だった。
去年と同様に微妙に200Wに足りなかったが、ベストエフォートはできたので良かった。
2022.10.02 Sun l レース l COM(0) TB(0) l top ▲