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インタビューなどで「感謝しかない」という言葉を聞いたときの違和感はどこからくるのだろうか。一方で、似た言い回しの「悲しみしかない」にはあまり違和感がない。何が違うのか。

「〜しかない」の元々の意味は、あるところに〜だけが残されている、onlyであろう。このとき、〜以外のものが他にあり得るけれども〜だけがある、という文脈が必要。

最近?になって、転じて、すべてが〜で満たされている、full ofの意味で使われるようになってきた。

「悲しみしかない」と単独で聞くと、例えば何かを失う悲しい出来事があって、今は悲しみしか残されていないと補ってonlyの意味で読める。full ofの用法を知らなくても意味が通るので違和感がない。発言者の意図がどちらかは問わない。

「感謝しかない」と単独で聞くと、onlyの意味での文脈を補いづらいので、full ofの用法を知らないと違和感がある。
例えば、かつて誰かに対して嫌悪感や軋轢があったが今は感謝だけが残っているという文脈があれば、言い回し自体には違和感はない。インタビューではおそらくfull ofの意味で使われる。

言葉は変化するので、新しい用法を知っていかないと違和感が膨らんで話が通じなくなっていく。
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2019.06.26 Wed l つれづれ l COM(0) TB(0) l top ▲

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