Energy saving mechanisms, collective behavior and the variation range hypothesis in biological systems: A review
自転車の集団のダイナミクスについての論文(The peloton superorganism and protocooperative behavior)から派生して、何やら深淵な話をしている。長いけど要約すると以下の3点だろう。
・ストレスに晒されたときの集団形成のような自己組織化は生物でも無生物でも起こり、そのメカニズムは熱力学で説明できる。
・集団効果による負荷低減率は集団内の強さのばらつきの比率に等しくなる。
・低い負荷では集団内で循環が起こり、負荷が上がると先頭固定になる。さらに負荷が上がると集団は分裂する。
熱力学第二法則はすべては平衡へ向かい均一化すると言うけれど、平衡からあまりに遠いとき秩序が生まれることがある。
例えばベナール渦。水を入れた鍋の底の温度を上げるとき、水との温度勾配が小さいと熱伝導支配だが、温度勾配が大きいと対流が起き、自己組織化して渦(秩序)が生まれる。
このような自己組織化は生命発生の一因になる。
生命とは熱力学(エントロピー増大)に抗って秩序を維持する存在と言える。
砂浜で小石と貝殻を見分けるとき、自己複製することではなく貝殻の秩序に生物たる所以を見出す(生物と無生物のあいだ)
温度勾配をストレスと見なすと、空気抵抗というストレスを受ける自転車集団の中で生じる省エネのための循環(ローテーション)に通じる。鳥の群れや魚の群れの循環も同様。群れることでフィジカルのばらつきを許容して生き残れ、多様性を生む。
集団内では先頭の出力のd倍でついていけるとすると、先頭のd倍のFTPの選手が生き残れる。FTPを個体の大きさや体重と見なすと、様々な生物でこの比率が一致する。
ストレスが増えて全力で進む必要が出てくると、追い越し不能になり集団の先頭は固定される。これはゴール直前の自転車集団の他、自然界では精子の移動で見られる。
さらにストレスが増えると集団は分裂する。これは自然界では種の分化につながる。
そういうわけで、自転車集団のローテーションは業界の習慣的なものではなくて、必然性があるもののようだ。
自転車の集団のダイナミクスについての論文(The peloton superorganism and protocooperative behavior)から派生して、何やら深淵な話をしている。長いけど要約すると以下の3点だろう。
・ストレスに晒されたときの集団形成のような自己組織化は生物でも無生物でも起こり、そのメカニズムは熱力学で説明できる。
・集団効果による負荷低減率は集団内の強さのばらつきの比率に等しくなる。
・低い負荷では集団内で循環が起こり、負荷が上がると先頭固定になる。さらに負荷が上がると集団は分裂する。
熱力学第二法則はすべては平衡へ向かい均一化すると言うけれど、平衡からあまりに遠いとき秩序が生まれることがある。
例えばベナール渦。水を入れた鍋の底の温度を上げるとき、水との温度勾配が小さいと熱伝導支配だが、温度勾配が大きいと対流が起き、自己組織化して渦(秩序)が生まれる。
このような自己組織化は生命発生の一因になる。
生命とは熱力学(エントロピー増大)に抗って秩序を維持する存在と言える。
砂浜で小石と貝殻を見分けるとき、自己複製することではなく貝殻の秩序に生物たる所以を見出す(生物と無生物のあいだ)
温度勾配をストレスと見なすと、空気抵抗というストレスを受ける自転車集団の中で生じる省エネのための循環(ローテーション)に通じる。鳥の群れや魚の群れの循環も同様。群れることでフィジカルのばらつきを許容して生き残れ、多様性を生む。
集団内では先頭の出力のd倍でついていけるとすると、先頭のd倍のFTPの選手が生き残れる。FTPを個体の大きさや体重と見なすと、様々な生物でこの比率が一致する。
ストレスが増えて全力で進む必要が出てくると、追い越し不能になり集団の先頭は固定される。これはゴール直前の自転車集団の他、自然界では精子の移動で見られる。
さらにストレスが増えると集団は分裂する。これは自然界では種の分化につながる。
そういうわけで、自転車集団のローテーションは業界の習慣的なものではなくて、必然性があるもののようだ。
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